一期一会 ~未来からの贈り物~
未来から来た少年
どこまでも続く青い空。
緩やかな風が頬を撫でていく放課後。
教室から眺めるグラウンドからは運動部の子達の掛け声が聞こえる。
それも遠くに微かに聞こえるから、ほど心地いい。
そんな中、目を閉じれば自然と私は眠りの世界に吸い込まれる。
まだ夏にはなりきれない春の日差し。
淡い思いを秘めたまま、私は眠りに落ちるまでの間、彼の事を思った。
いつだって優しい彼。
困っていれば助けてくれるし、落ち込んでいれば慰めてくれる。
けど、彼には恋人がいて、完全に私の片思いなんだけど、それでも、それでも諦めきれないのは、
彼女が居ても、私には優しいから。
隣に住む一つ年上の彼は、幼なじみで、
そして完全に私を妹としてのカテゴリーに位置ずけている。