一期一会 ~未来からの贈り物~
「あれ、ミナモ、何してんの?」
なんとか頼まれた仕事を終え帰ろうとした時、琉司が突然現れた。
「えっ、琉司こそ、どうしたの?」
特に先生に用もないのか琉司は、ふらふらと出入口辺りをうろついている。
「先生に用?呼ぼうか?」
「えーと、いいや、付き添いだから…」
「付き添い?」
琉司にしては珍しいと思いながらそう聞いてみた。
すると、琉司は視線を大林先生の方へ投げた。
「…彼の付き添い」
「えーと、誰?あのこ…」
見かけない顔だ。
確かにクラスも多いから、知らない子がいてもおかしくない。
けど、琉司の知り合いだったら私でも多少は分かるはず。
一年の時は同じクラスだったから…。