一期一会 ~未来からの贈り物~
人気ない廊下には私と琉司の足音だけが響く。
琉司は私に追い付くと隣を歩いた。
「でも、もう暗いぜ。一応お前も女なんだし、危ないだろ!」
そい言った彼は心配そうに私を見つめる。
「ごめん、寄るとこあるから…」
本当はそんなとこないけど、このままだと琉司は、送る。って訊かないだろうし、それにやっぱりあのふたりが気になるから、
私はそう言って彼を振り切った。
「つーか、だったら俺も付き合う」
「えっ?」
琉司の台詞が意外過ぎて、思わず足を止めてしまった。
えーと、どうしよ…?
私より数歩先に進んでいた琉司も私が立ち止まったのに気付き振り返り足を止める。
「どんな用事なんだよ。
てーか、夜道は危ないぞ!」
だから着いてく。って琉司は言ったけど、
私はこの場をどう乗り切ろうか考えるのに必死だった。
「早く行こうぜ。ミナモ」
彼が私に背を向ける。
だから私も仕方なく彼の背中を追う。
それにしても、どうしようかな?これから。