コイゴコロ。
翔が少し明るくなってる。
でも、まだ。
あの頃の翔は・・・。


「翔はさ、
 記憶なくてもいいの?」
「・・・桃花。」

なんかいけないこと言ったよね??

「あ・・・」

気をつけよう。

翔はこんな近くにいるのに



なんでだろう??



こんなに寂しい気持ちに
なってしまうのは。

私、いつからこんなに
ワガママになっちゃったんだろ。

もう私の知っている
一ノ瀬翔はいないんだ。

「あ、ごめんね・・・
 急にこんなこと。」

「桃花、、泣かないで?」

え。



顔に手を当ててみると、
目の下になまあたたかい雫が
流れていた。
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