竜王様のお約束
真紅に彩られた、コウリュウの重厚な自室では、薫り高いお茶を用意して、今か今かと、イオリが二人を待ち構えていた。
入口からの気配を感じて、イオリは閉じていた目を開けた。
ゆっくりとした足取りで、先ずはコウリュウが入室してくる。
続いてコクリュウも、遠慮がちに入室して来た。
イオリは、居てもたってもいられずに、コウリュウに駆け寄り、深く腰を折る。
そして。
「いかがでしたか?
ハクリュウ様を天界に繋ぎ止めておく事は、叶いましたか?」
食い入るように見つめるイオリの瞳に圧倒されて、コウリュウは少したじろいだ。
「あ・・・あぁ・・・。
とりあえずは、引きとめておける。
だが、人間界にはリョクが居るからな。
長きにわたって兄上達を足止めするのは、リョクが可哀想だ。」
「・・・・・!
そうでございました。
私とした事が、コウリュウ様のお立場の事ばかりしか、考えておりませんでした。
リョク様のお気持ちを思ったら、私達の好き勝手ばかりは、言えなくなってしまいますね。」
イオリの勢いは、すっかり影を潜めてしまった。
入口からの気配を感じて、イオリは閉じていた目を開けた。
ゆっくりとした足取りで、先ずはコウリュウが入室してくる。
続いてコクリュウも、遠慮がちに入室して来た。
イオリは、居てもたってもいられずに、コウリュウに駆け寄り、深く腰を折る。
そして。
「いかがでしたか?
ハクリュウ様を天界に繋ぎ止めておく事は、叶いましたか?」
食い入るように見つめるイオリの瞳に圧倒されて、コウリュウは少したじろいだ。
「あ・・・あぁ・・・。
とりあえずは、引きとめておける。
だが、人間界にはリョクが居るからな。
長きにわたって兄上達を足止めするのは、リョクが可哀想だ。」
「・・・・・!
そうでございました。
私とした事が、コウリュウ様のお立場の事ばかりしか、考えておりませんでした。
リョク様のお気持ちを思ったら、私達の好き勝手ばかりは、言えなくなってしまいますね。」
イオリの勢いは、すっかり影を潜めてしまった。