竜王様のお約束
コクリュウは、不安な様子を隠す事なく、コウリュウに声をかける。


「あの・・・。」


もじもじしながら、たくましく鍛えた体を、精一杯小さくしているコクリュウに、コウリュウは労いの視線を投げ掛けた。


「大した閃きじゃないか、コクリュウ。
これで、兄上達を天界に足止めしておける。
そのまま竜王に返り咲いてくれれば、占めたものなんだが。
民に分け与える生気をどうするかは、これからゆっくり考えればいい。
先ずは、リョクを連れて来ないとな。
早速兄上に、進言しよう。」


「ふぅぅぅぅ・・・。」


コウリュウの言葉を聞いて、直ぐ様コクリュウは、安堵の息を吐き出した。


「どうした、コクリュウ?」


「いえ、私の取り越し苦労だったようです。」


安心した顔で、表情を緩めたコクリュウは、何か失礼があったのではと、びくびくしていた気持ちから解放されて、元気よくコウリュウに答えた。

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