竜王様のお約束
ク
コクリュウは床の上で平伏していた。
氷のように冷たく流れる、低い低い重低音が、コクリュウの体を凍らせて、床の上からその身を動けなくしていたのだ。
コクリュウの恐怖に怯える瞳に映るのは、目の前の磨きこまれた白い床のみ。
顔を上げて見渡す事は出来ないが、コクリュウが一生懸命、体を縮めて平伏している部屋は、豪華な中にも清潔感のある、白で統一されていた。
そう・・・ここは、ハクリュウの部屋である。
コクリュウを固まらせるほどの重低音を奏でたのは、誰あろうこの部屋の主、ハクリュウだ。
「そなたに、今一度問う。
何ゆえぞ?
どのような理由をもって、リョクを天界に連れて来る必要があるのかと、我は聞いておるのだ。
答えよ、コクリュウ。」
静かに流れるその旋律は、とても穏やかで、ゆったりとしているのだが、聞く者を凍らせてしまうかのような、怒気を含んでいるのだ。
「コクリュウ。」
「はっ。」
短くハクリュウに名を呼ばれ、コクリュウは、これ以上小さくならないくらいに、更に身を縮めた。
氷のように冷たく流れる、低い低い重低音が、コクリュウの体を凍らせて、床の上からその身を動けなくしていたのだ。
コクリュウの恐怖に怯える瞳に映るのは、目の前の磨きこまれた白い床のみ。
顔を上げて見渡す事は出来ないが、コクリュウが一生懸命、体を縮めて平伏している部屋は、豪華な中にも清潔感のある、白で統一されていた。
そう・・・ここは、ハクリュウの部屋である。
コクリュウを固まらせるほどの重低音を奏でたのは、誰あろうこの部屋の主、ハクリュウだ。
「そなたに、今一度問う。
何ゆえぞ?
どのような理由をもって、リョクを天界に連れて来る必要があるのかと、我は聞いておるのだ。
答えよ、コクリュウ。」
静かに流れるその旋律は、とても穏やかで、ゆったりとしているのだが、聞く者を凍らせてしまうかのような、怒気を含んでいるのだ。
「コクリュウ。」
「はっ。」
短くハクリュウに名を呼ばれ、コクリュウは、これ以上小さくならないくらいに、更に身を縮めた。