竜王様のお約束
「ハクリュウ様・・・。」
コクリュウは入口の扉の前に平伏しているのだが、静かに顔を上げて窓際の白い椅子に座るハクリュウを、そっと隠れ見る。
『ハクリュウ様が御自身の胸の内を、こんな自分ごときに語ってくれるなんて・・・』
素直にコクリュウは驚き、敬愛して止まない我が陛下の御尊顔を、拝さずにはいられなかったのだ。
長い足を持て余すかのように組んで、ひじ掛けに形のいい腕を預け、窓の外を眺めているハクリュウの横顔は、やはり、どこから見ても、天界に君臨するに相応しい。
思い返せば、ハクリュウのこの部屋でコウリュウを交えて話をした時も、確かハクリュウはヤヨイの事を言っていた。
その時はコクリュウはまだ、何が何やら状況がよく飲み込めず、二人の会話を聞いているだけであったのだが。
冷静に聞けるだけの余裕を得て、今のハクリュウの言葉が、全てなのだと実感したコクリュウは、それ以上何も言えなくなってしまった。
「ハクリュウ様のお心、よく分かりました。」
黒い短髪をかき上げて、殊更真面目な顔で答えたコクリュウは、諦めた声でそう言った。
コクリュウは入口の扉の前に平伏しているのだが、静かに顔を上げて窓際の白い椅子に座るハクリュウを、そっと隠れ見る。
『ハクリュウ様が御自身の胸の内を、こんな自分ごときに語ってくれるなんて・・・』
素直にコクリュウは驚き、敬愛して止まない我が陛下の御尊顔を、拝さずにはいられなかったのだ。
長い足を持て余すかのように組んで、ひじ掛けに形のいい腕を預け、窓の外を眺めているハクリュウの横顔は、やはり、どこから見ても、天界に君臨するに相応しい。
思い返せば、ハクリュウのこの部屋でコウリュウを交えて話をした時も、確かハクリュウはヤヨイの事を言っていた。
その時はコクリュウはまだ、何が何やら状況がよく飲み込めず、二人の会話を聞いているだけであったのだが。
冷静に聞けるだけの余裕を得て、今のハクリュウの言葉が、全てなのだと実感したコクリュウは、それ以上何も言えなくなってしまった。
「ハクリュウ様のお心、よく分かりました。」
黒い短髪をかき上げて、殊更真面目な顔で答えたコクリュウは、諦めた声でそう言った。