竜王様のお約束
背中を丸めるコクリュウに、ハクリュウは言う。
「大事ない。
コウリュウに迷惑をかけるような事は、せぬ。
我のわがままを受け入れてくれたコウリュウには、感謝しているのだ。
天界が荒れぬよう、我とて気にかけるに、決まっているではないか。
それに我が居ぬとも、コウリュウに任せておけば、安泰ぞ。
安心致せ。」
その言葉に、少しだけ安堵の表情を見せたコクリュウだが、まだ何か言いたげなようで、ハクリュウを見つめる漆黒の瞳は揺れている。
「なんだ?
まだ不満か?」
「いえ、不満だなどと、そのような。」
コクリュウは、歯切れ悪くそう言って、俯いた。
「なんだ。
気になるではないか。
申してみよ。」
「はい・・・では・・・畏れながら・・・ハクリュウ様、勝手を承知で申し上げます・・・。
出来れば私への罰、早めに実行していただきたく。
先延ばしにされるほど、気が気ではないのです。
リョク様の事を抜きにしたとしても、人間界へ行く事を、お許しいただけないでしょうか。
私に出来る、渾身の力を持って、人間達に謝って参ります。」
それに対して返す言葉もなくハクリュウは、ただただ床の上に正座する真面目な龍を、悲哀の瞳で見つめる事しかできなかった。
「大事ない。
コウリュウに迷惑をかけるような事は、せぬ。
我のわがままを受け入れてくれたコウリュウには、感謝しているのだ。
天界が荒れぬよう、我とて気にかけるに、決まっているではないか。
それに我が居ぬとも、コウリュウに任せておけば、安泰ぞ。
安心致せ。」
その言葉に、少しだけ安堵の表情を見せたコクリュウだが、まだ何か言いたげなようで、ハクリュウを見つめる漆黒の瞳は揺れている。
「なんだ?
まだ不満か?」
「いえ、不満だなどと、そのような。」
コクリュウは、歯切れ悪くそう言って、俯いた。
「なんだ。
気になるではないか。
申してみよ。」
「はい・・・では・・・畏れながら・・・ハクリュウ様、勝手を承知で申し上げます・・・。
出来れば私への罰、早めに実行していただきたく。
先延ばしにされるほど、気が気ではないのです。
リョク様の事を抜きにしたとしても、人間界へ行く事を、お許しいただけないでしょうか。
私に出来る、渾身の力を持って、人間達に謝って参ります。」
それに対して返す言葉もなくハクリュウは、ただただ床の上に正座する真面目な龍を、悲哀の瞳で見つめる事しかできなかった。