竜王様のお約束
ジュウ
ここは白の村、ハクリュウの屋敷。
「リョクさまぁ~!!!」
手入れの行き届いた庭先から聞こえてきたエミの叫び声に、リョクは自室を飛び出した。
綺麗に刈り込まれた芝生の上に、青ざめて座るエミを見つけて、リョクは一目散に駆け寄る。
「エミどうしたの?
大きな声を出したりして。
やだ、震えているじゃない。
何があったの?」
腰まで届く緑色の豊かな髪を揺らし、リョクはエミの横にしゃがみ込んだ。
はた目から見ればエミを心配している表情と声色ではあるが、リョクの心の中は真逆であった。
実はリョク、普段から優しくおとなしいエミらしからぬ叫び声に、退屈な毎日を変える、素敵な事件の発生を期待して、漆黒の瞳を輝かせて飛んで来たのだ。
でも、一点を見つめてがくがくと肩を震わせるエミの事はやはり心配で、リョクは無意識に背中をさすっていた。
「大丈夫?落ち着いて。」
そのままエミの背中をさすり、早く聞きたい気持ちを抑えて、リョクがすました顔をすること30秒。
エミはやっとやっと、声を絞り出す。
「リョクさまぁ~!!!」
手入れの行き届いた庭先から聞こえてきたエミの叫び声に、リョクは自室を飛び出した。
綺麗に刈り込まれた芝生の上に、青ざめて座るエミを見つけて、リョクは一目散に駆け寄る。
「エミどうしたの?
大きな声を出したりして。
やだ、震えているじゃない。
何があったの?」
腰まで届く緑色の豊かな髪を揺らし、リョクはエミの横にしゃがみ込んだ。
はた目から見ればエミを心配している表情と声色ではあるが、リョクの心の中は真逆であった。
実はリョク、普段から優しくおとなしいエミらしからぬ叫び声に、退屈な毎日を変える、素敵な事件の発生を期待して、漆黒の瞳を輝かせて飛んで来たのだ。
でも、一点を見つめてがくがくと肩を震わせるエミの事はやはり心配で、リョクは無意識に背中をさすっていた。
「大丈夫?落ち着いて。」
そのままエミの背中をさすり、早く聞きたい気持ちを抑えて、リョクがすました顔をすること30秒。
エミはやっとやっと、声を絞り出す。