竜王様のお約束
鬼のような形相とは、この事であろう。
エミの必死の表情は、今まさに、この状態であった。
「はい。
確かに私はコクリュウですが・・・」
コクリュウが穏やかにそこまで言いかけた時、猛烈な勢いでエミが食ってかかった。
「この憎き野蛮な黒龍め!!
ヤヨイ様だけでは飽き足らず、今度はリョク様までをも、さらうつもりですか!?
恥を知りなさい!!」
「・・・!!!」
コクリュウはエミの罵声にぐうの音の出せず、ただただ目を見張り、悔いている失態と、僅かな誤解を浴びせられ、下を向いて唇を噛んだ。
「エ・・・エミ、落ち着いて。」
我を忘れ、コクリュウに今にも殴りかかりそうな勢いのエミを、リョクは必死に抑える。
こんなにも見境を失くし、感情を露わにしたエミを、初めて目にしたリョクは、少々うろたえてしまったのだが、エミはすぐにいつもの冷静さを取り戻して、申し訳なさそうに謝った。
「お恥ずかしい姿をお見せしてしまいました。
取り乱してしまい、申し訳ありません。
ですが私は、この黒龍だけは、許す訳にはいかないのです!」
一変、涙声でそう訴えるエミには、並々ならない思いがあるようで、まだ13歳のリョクは、どうしていいか分からずにいた。
エミの必死の表情は、今まさに、この状態であった。
「はい。
確かに私はコクリュウですが・・・」
コクリュウが穏やかにそこまで言いかけた時、猛烈な勢いでエミが食ってかかった。
「この憎き野蛮な黒龍め!!
ヤヨイ様だけでは飽き足らず、今度はリョク様までをも、さらうつもりですか!?
恥を知りなさい!!」
「・・・!!!」
コクリュウはエミの罵声にぐうの音の出せず、ただただ目を見張り、悔いている失態と、僅かな誤解を浴びせられ、下を向いて唇を噛んだ。
「エ・・・エミ、落ち着いて。」
我を忘れ、コクリュウに今にも殴りかかりそうな勢いのエミを、リョクは必死に抑える。
こんなにも見境を失くし、感情を露わにしたエミを、初めて目にしたリョクは、少々うろたえてしまったのだが、エミはすぐにいつもの冷静さを取り戻して、申し訳なさそうに謝った。
「お恥ずかしい姿をお見せしてしまいました。
取り乱してしまい、申し訳ありません。
ですが私は、この黒龍だけは、許す訳にはいかないのです!」
一変、涙声でそう訴えるエミには、並々ならない思いがあるようで、まだ13歳のリョクは、どうしていいか分からずにいた。