竜王様のお約束
「リョク様・・・実は・・・。」


コクリュウはためらいながらも、リョクに思念を送ってみた。


「・・・?」


不意に頭の中に響いてきた声に、リョクは不思議そうな顔でコクリュウを仰ぎ見る。


「今の声って、コクリュウ?」


リョクの漆黒の瞳と、コクリュウの漆黒の瞳が、お互いを見つめた。興味深げな真っ直ぐな視線と、遠慮がちに揺れた視線である。バッチリ目と目があったことで、コクリュウの呼びかけなんだと確信したリョクは、自分を見つめるその視線の揺れに、嫌な予感を覚えた。


「ふうん。龍神様って、すごいこと出来るんだね。
で?何?」


「実は・・・。リョク様にお伝えしなければいけない事がございます。
こんな所まで上昇しておきながら、切り出す話でもないのですが・・・。」


「じゃあ聞かない。」


あっさりとリョクに拒否されて、コクリュウはたじろいだ。


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