竜王様のお約束
コクリュウは、自分の言葉の足らなさを矢継ぎ早に詫びた。


「いえ、違います!そうではありません!
リョク様に誤解をさせるような言い方をして、申し訳ありません。
ハクリュウ様は、とてもリョク様にお会いしたがっておられます。
この度私が人間界に遣わされたのも、そのためなのです。
『もうしばらく、いい子で留守番をしているように』と、リョク様へ伝言を賜ってきたのです。」


「留守番!?」


リョクはコクリュウの説明に、声を裏返らせて驚いた。


「なんで?どうして?父様ひどいよ!
会いたいなら、私が天界に行ったっていいじゃない!
ねぇ?コクリュウもそう思うでしょ?」


「えぇ・・・。まぁ・・・。そうなのですが・・・。」


「ですが?
・・・なに?」


「ハクリュウ様はリョク様を、ずっと人間としてお育てしたいのです。
おそらく天界の醜い部分を、リョク様にお見せしたくないのでしょう。
それが天界へお招きせず、人間界に留めておかれる理由だと、私は推測致します。」


「人間として?」


「はい。」


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