竜王様のお約束

リョクがコクリュウから親についての話を聞いている時、当の親達は王宮の一室で、愛娘をつまみに談笑していた。


豪奢な中にも清潔感あふれる白で統一された部屋の中では、仲睦まじい夫婦の会話が穏やかに流れる。


「リョクはきっともう、私たちが知っている、あの小さなリョクではないのよね？
キサラギがそうだったように、リョクも人間界の速さで成長しているはずだもん。
私より大きくなっていたらどうしよう。
･･･かなりショックだわ。」


白いふかふかのソファーに身を預けて、ヤヨイはハクリュウを見上げた。


ヤヨイのすぐ隣にぴったりと密着して座っているハクリュウは、そんなヤヨイの髪を指でクルクルと弄びながら微笑む。


「まぁ･･･そうだろうな。
間違いなく、絶世の美女に成長しているはずだ。
･･･いや待てよ。
もしかしたら、とんでもないお転婆娘になっているかもしれないぞ。
誰かさんのように、勝手に屋敷を抜け出してもらっては困るんだがな･･･。」


「もう、ハクリュウの意地悪！
私は勝手に抜け出してなんか、いないもん！
ちゃんとエミには伝えたし、シキとも一緒だったんだからね！」