竜王様のお約束
ジュウニ
ハクリュウがこの白き豪奢な部屋で過ごした年月は長い。竜王として、独裁と孤独の中に身を置き安らぐことのなかった長い時間。
その長い年月を誰かと共にこの部屋で過ごしたことなどあっただろか。しかも、愛しいと思える女性と共になんて。
しかし今ハクリュウは、安らぎの時間も愛しい女性も手に入れた。ヤヨイという何者にも代え難い妃を得、育むべき家族までをも持つことができた。
その愛しい妃と穏やかな談笑を交わし熱く口づけて、これから更なる甘いひと時にもつれ込ませようと、ハクリュウが心の中でほくそ笑んだ時、ヤヨイの言葉がまんまとその下心を中断させる事になるとは。
「ねぇハクリュウ。多分私の勘違いだとは思うんだけど。
ほら・・・今、リョクの話をしていたじゃない。」
「うん。してたね。」
軽く相槌を打ちながら、ハクリュウはヤヨイの頬をするりと撫でる。
そのハクリュウの手をそっと握って、ヤヨイは漆黒に潤む妖艶な瞳を見つめた。
「だからだと思うんだけど・・・。リョクが私たちの、すぐ近くに居る気がするのよ。」
ヤヨイの言葉にハクリュウは苦笑して、ヤヨイの手に口づけを落とす。
「それはホントにヤヨイの勘違いだな。
リョクは人間界に居るんだぞ。
俺たちの近くって言ったら、天界に居ることになるじゃないか。」
その長い年月を誰かと共にこの部屋で過ごしたことなどあっただろか。しかも、愛しいと思える女性と共になんて。
しかし今ハクリュウは、安らぎの時間も愛しい女性も手に入れた。ヤヨイという何者にも代え難い妃を得、育むべき家族までをも持つことができた。
その愛しい妃と穏やかな談笑を交わし熱く口づけて、これから更なる甘いひと時にもつれ込ませようと、ハクリュウが心の中でほくそ笑んだ時、ヤヨイの言葉がまんまとその下心を中断させる事になるとは。
「ねぇハクリュウ。多分私の勘違いだとは思うんだけど。
ほら・・・今、リョクの話をしていたじゃない。」
「うん。してたね。」
軽く相槌を打ちながら、ハクリュウはヤヨイの頬をするりと撫でる。
そのハクリュウの手をそっと握って、ヤヨイは漆黒に潤む妖艶な瞳を見つめた。
「だからだと思うんだけど・・・。リョクが私たちの、すぐ近くに居る気がするのよ。」
ヤヨイの言葉にハクリュウは苦笑して、ヤヨイの手に口づけを落とす。
「それはホントにヤヨイの勘違いだな。
リョクは人間界に居るんだぞ。
俺たちの近くって言ったら、天界に居ることになるじゃないか。」