竜王様のお約束
「わぁ!
父様も母様も、写真と同じ!
ちっとも年をとっていないのね。
私はこんなに大きくなったのに。
母様がまるで私の姉様のよう。」


元々大きな真っ黒の瞳を、更に大きく開けて、リョクは父と母に切り出した。


「リョク・・・本当にリョク・・・?」


ヤヨイは嬉しさ混じりの半信半疑で、一歩一歩ゆっくりと、扉の前にいるリョクに近づいた。そして自分の肩ほどまでに背が伸びた我が子に、そっと手を差し伸べてみる。


「母様、お会いしたかった。
私ね、ずっといい子でお留守番していたんだよ。
エミの言うことちゃんと聞いて、いい子にしてたんだから。
ホントだよ!」


その差し出された手を素早く握り、リョクは嬉しそうに微笑んだ。


「うん・・・うん・・・。」


頷くことしかできないヤヨイの目には、薄らと涙が光る。


「リョク・・・リョク・・・。」


琥珀色の瞳から溢れる涙を拭いもせずに、ヤヨイは恐る恐るリョクを抱きしめた。


「こんなに大きくなっていたなんて・・・。
こんな空白、どうやって埋めたらいいの・・・。」


「え〜、別にそんなの何ともないわ。
母様にも父様にも、どうにもならない事情があったんだもの。
これからは一緒に居られるんでしょ?
私はそれでじゅうぶんよ。」


ヤヨイの言葉にそう答えると、リョクはにっこりと微笑んだ。
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