竜王様のお約束
「竜王にはお妃様が必要なのは本当だけど・・・。
リョクはそれが気に入らないの?
コクリュウさんが好・・・ううん・・・。
コクリュウさんの側に居たいのね?」
「・・・っ!?
・・・うん、側に居たい。」
人間界で初めてコクリュウを見た時からリョクは、無意識ながらもコクリュウを意識するという偉業を成し遂げていた。自覚がないということの素晴らしさは、素直に感情を口にできる、と、いうことなのかもしれない。
それまで年頃の男性が身近に居なかったリョクは、今のこの苛立ちが何なのか、もどかしくて仕方がない。コクリュウの事が知りたくて、気がかりで、そわそわした。コクリュウの口から飛び出した”妻”という言葉を聞いた瞬間に沸き上がったこの気持ち。一体何なのだろう・・・。
真っ直ぐに気持ちをぶつけてくるリョクがいじらしくて、ヤヨイは一段と声を潜めて聞いてみた。
「コクリュウさんが誰か・・・リョクの知らない女の人と結婚したら、イヤ?」
その問いに、一瞬たりとも考えず、間髪いれずにリョクは叫ぶ。
「イヤ!!!」
ここまでヒソヒソと行われていた2人の内緒話しが、幸か不幸か注目の的になってしまった。
「何事ぞ?」
突然響いた娘の声に反応して、ハクリュウが足早にこちらへとやって来た。何事があったのかと心配そうにしている父を見上げて、リョクはのほほんと言ってのける。
「コクリュウの妻には、私がなる!」
「なっ・・・!?なんだと!?」
リョクの予期せぬ言葉は、思わずハクリュウの足をよろめかせるほどの衝撃があった。なんの捻りもない気の利かないセリフでしか、驚きを表現できないくらいに。
リョクはそれが気に入らないの?
コクリュウさんが好・・・ううん・・・。
コクリュウさんの側に居たいのね?」
「・・・っ!?
・・・うん、側に居たい。」
人間界で初めてコクリュウを見た時からリョクは、無意識ながらもコクリュウを意識するという偉業を成し遂げていた。自覚がないということの素晴らしさは、素直に感情を口にできる、と、いうことなのかもしれない。
それまで年頃の男性が身近に居なかったリョクは、今のこの苛立ちが何なのか、もどかしくて仕方がない。コクリュウの事が知りたくて、気がかりで、そわそわした。コクリュウの口から飛び出した”妻”という言葉を聞いた瞬間に沸き上がったこの気持ち。一体何なのだろう・・・。
真っ直ぐに気持ちをぶつけてくるリョクがいじらしくて、ヤヨイは一段と声を潜めて聞いてみた。
「コクリュウさんが誰か・・・リョクの知らない女の人と結婚したら、イヤ?」
その問いに、一瞬たりとも考えず、間髪いれずにリョクは叫ぶ。
「イヤ!!!」
ここまでヒソヒソと行われていた2人の内緒話しが、幸か不幸か注目の的になってしまった。
「何事ぞ?」
突然響いた娘の声に反応して、ハクリュウが足早にこちらへとやって来た。何事があったのかと心配そうにしている父を見上げて、リョクはのほほんと言ってのける。
「コクリュウの妻には、私がなる!」
「なっ・・・!?なんだと!?」
リョクの予期せぬ言葉は、思わずハクリュウの足をよろめかせるほどの衝撃があった。なんの捻りもない気の利かないセリフでしか、驚きを表現できないくらいに。