竜王様のお約束
辺りに静けさが戻り、民達がまた、ざわめき始めた。
「・・・おい。
連れて行かれちまったぞ。
今のハク様の、奥方様だったよな?」
「ま、間違いねぇ。
ありゃあ確かに、ヤヨイ様だった。」
「ハク様に・・・ハク様に・・・教えねぇと!」
動転していたシキが、回りのどよめきで我に戻ると、スーっと血の気が引いていった。
「どうしよう、私・・・。
ヤヨイ様を・・・お守りできなかった・・・。
ハク様に、なんとお詫びを・・・。
いえ、それより今はまず、この事を・・・お伝えしないと!」
ヨロヨロと、2·3歩ふらついたシキは、全速力で屋敷へと向かった。
時間にして10分足らず。
ヤヨイが表へ出てから、連れ去られ、シキが屋敷へと戻り、ハクリュウに報告するまでの時間である。
いつもの冷静さを取り戻して、凛とした表情のシキは、乱れた息を整える間も惜しみ、庭先でリョクを抱いているハクリュウに駆け寄った。
シキの様子を見たハクリュウは、何事かの異変が起きたのだと直感し、静かにリョクを腕から下ろす。
「・・・おい。
連れて行かれちまったぞ。
今のハク様の、奥方様だったよな?」
「ま、間違いねぇ。
ありゃあ確かに、ヤヨイ様だった。」
「ハク様に・・・ハク様に・・・教えねぇと!」
動転していたシキが、回りのどよめきで我に戻ると、スーっと血の気が引いていった。
「どうしよう、私・・・。
ヤヨイ様を・・・お守りできなかった・・・。
ハク様に、なんとお詫びを・・・。
いえ、それより今はまず、この事を・・・お伝えしないと!」
ヨロヨロと、2·3歩ふらついたシキは、全速力で屋敷へと向かった。
時間にして10分足らず。
ヤヨイが表へ出てから、連れ去られ、シキが屋敷へと戻り、ハクリュウに報告するまでの時間である。
いつもの冷静さを取り戻して、凛とした表情のシキは、乱れた息を整える間も惜しみ、庭先でリョクを抱いているハクリュウに駆け寄った。
シキの様子を見たハクリュウは、何事かの異変が起きたのだと直感し、静かにリョクを腕から下ろす。