竜王様のお約束

所変わって･･･。


神秘的な黒で統一された屋敷の中では、コクリュウが緊張の面持ちでリョクと向かい合っていた。


二人の間に置かれた黒檀のローテーブルを挟んで、リョクはソファーに座っているのだが、なぜかコクリュウは床に膝まづいている。


自分だけがソファーに座ることに居心地の悪さを感じたリョクは、コクリュウに言ってみた。


「ねぇ、コクリュウも座ってよ。」


「いえ、私はこのままで。」


「え〜どうして？
私だけ座ってるなんて、なんか偉そうで嫌なんだもん･･･。」


「その通りです。
リョク様は偉いのです。」


「え･･･？
私、偉くなんかないよ。」


首を傾げてコクリュウを見るリョクは、本心から不思議に思っている。そんなリョクに、当り前と言わんばかりにコクリュウは答えた。