竜王様のお約束
「私コクリュウには、偉いと思われたくないよ。
偉いのは父様だけでいいでしょ。
私はごく普通の女の子なの。
だからお願い、ソファーに座って。
未来の妻に、そんな感情持たないでよ。」


その言葉を聞いて、コクリュウはがっくりと項垂れた。


「リョク様、そのような事を軽々しく口にするものではありません。
ご冗談にしては、タチが悪すぎます。」


「冗談なんかじゃないもん!」


コクリュウの言いように腹をたてたリョクは、またもや頬を膨らませて見せた。


「冗談でなければなんだと言うのです?
私とリョク様が結婚など、出来る訳ないじゃないですか!」


ついコクリュウも、声を荒げてしまう。


「どうして!?」


「リョク様がハクリュウ様のご息女様だからです。」


「それが理由なの?
バカみたい!!!
父様の子供だと、自由に恋もできないの?」


リョクは自分の言葉にハッとした。


『恋・・・?』
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