竜王様のお約束
「言ったよ!」


突然リョクが叫んだ。


「そうだよ、確かに言った。
コクリュウあたしに言ったよね?
結婚でもなんでもするって!」


「いえ・・・それは、リョク様の変幻をお止めしたい一心で!」


「でも言った。」


「リョク様!」


リョクは仁王立ちしているハクリュウの側へと駆け寄ると、父の顔を見上げる。


「コクリュウは、結婚でも何でもするって本当に言ったんだからね。
それにあたしコクリュウを守れるよ。
実はあたしね・・・目から光線が出せるんだ。
光が当たると、その場所が溶けちゃうんだよ。
それと、なぜか口から氷が出てきてピュって飛ばせるの。
これって変なのかなって皆には内緒にしてたんだけど、さっきの父様を見て、あたしだけじゃないんだって嬉しくなっちゃった。
しかも龍にもなれたし。
だからお願い。」


リョクはハクリュウの服を掴んだ。


「・・・!!」


リョクのまさかの大暴露に、声が出せないハクリュウ。


「い・・・いつから・・・?
いつから光線出せるの、リョク。」


代わりに質問したのはヤヨイであった。


「そうだな・・・父様が白い光になって、天に昇って行った頃からだと思う。」
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