竜王様のお約束
にっこり笑って答えるリョクとは対象的に、ハクリュウは額に手を当ててガックリと項垂れた。


「ヤヨイ・・・俺は疲れた・・・。
後は皆でいいように決めてくれ・・・。
もう・・・何もかも・・・どうでもいい気分だ。」


ぽんとリョクの頭に手を置いて、ハクリュウは素の自分に戻りトボトボと奥の部屋へと歩いて行く。


「兄上、お待ち下さい。
どうでもいいだなんて、それはあまりにも無責任じゃないですか。」


スクっと立ち上がりコウリュウはハクリュウの足を止めた。


「リョクの能力を開花させまいと今まで気を配って来たのに、この俺の龍の姿がきっかけで能力が使えるようになるだなんて。
こんなやるせない事ってあるか?」


父の項垂れる姿を見て、リョクは父の後を追った。


「ねぇ父様、あたし光線出したらダメだった?
悪い事言ってごめんなさい。」


「いいや、リョクは悪くない。
ちっとも悪くなんかないよ。
悪いとしたらそれは父様だ。」
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