竜王様のお約束
僅かに眉をしかめてコクリュウは下を向いた。


「胸を張れコクリュウ。
いえ・・・竜王陛下。
これは賞賛に値するご決断です。
堂々とそのお姿を天界の住人達にお示し下さい。」


「コウリュウ様!
そのような言い方はお止め下さい。
それでなくても身が縮む思いなのです。」


「何をおっしゃいますか。
兄上に宣言してしまった以上、腹をくくってもらわないと困ります。
一応まだ竜王である私にも異論はありませんからね。
あなたは今この瞬間から、天界を統べる龍の一族の長になったんですよ。
さぁ、自信をお持ち下さい。
敬愛するハクリュウ王陛下の凛々しいお姿は、しっかりとその目に焼きついておりましょう?
先ずは背中を追って行けばいいのです。」


「・・・。
分かりました。しかし一つだけ・・・。
コウリュウ様ことは、呼び捨てられませんからね。」


「クックック・・・。
真面目だな。」


からかいの気持ち半分でコクリュウに進言したコウリュウは、堪えきれずに喉の奥を鳴らした。
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