竜王様のお約束
コウリュウに笑われて、ふと視線を向けた先には自分を見つめる少女の瞳があった。


「リョク様。」


「コクリュウ、いいの?
あんなに私のこと拒んでいたのに、本当にいいの?」


「リョク様のことは私がお守りすると、ハクリュウ様にもお約束いたしました。
天界の何者からも私が必ず守って見せます。」


意気揚々とコクリュウはリョクに答えた。
しかし・・・。


「守ってくれるは嬉しいけど、もしかして忘れてないよね?
あたしはコクリュウの奥さんになるんだよ。」


「おく・・・。」


コクリュウは、ハッとした。
守るとは言ったものの、そうだそれはリョク様を妻として守るということか。
生気・・・!この先、生気を分け与えなければならないんだ。
うわぁハクリュウ様の言葉を聞いて、なんとかしないといけないばかりが先行してしまった。


コクリュウのその表情から今の心の中の声は、皆、容易に想像できてしまうのであった。


「今更なかったことにはできないからね、コクリュウ。」


ダメ押しのリョクの声が、虚しくコクリュウの頭の中にこだました。
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