竜王様のお約束
ヤヨイはハクリュウの肩にちょこんと頭を預けて、ハクリュウを見上げた。


「リョクのいい気晴らしだったんだって。
他の子は外で友達と遊んでるのに、自分は危ないからってエミに許可をもらえなくて。
そんな時はこっそり庭の隅に行って、自分で作った泥団子に光線浴びせてイライラを解消してたみたい。
フフっ、あの子なりに今まで頑張っていたのよ。」


「そうか･･･でも･･･あぁ･･･もう全く･･･心配で仕方がないよ。
自分良ければそれでいい、他の奴らを蹴落として出し抜いて、そんな事しか考えない輩がうじゃうじゃいるんだぞ、ここには。
キリュウだってそんな輩の一人だ。
あいつの勝手な自己満足のためだけに、俺たち一家は巻き込まれたんだ。
全く、今からでも肢体を粉々にしてやりたいくらいだ。」


「ハクリュウ！」


「ごめん。
もう言わない。」


ハクリュウは寄り添っていたヤヨイの肩に手を回して、そっと髪にキスを落とす。


「一旦人間界に戻って身辺整理をしてこよう。
エミたちにも礼を言わないとな。」


「ふふっ、結局天界に残るのね？」


ハクリュウは言葉ではなく、はにかんだ笑顔でヤヨイに答えた。
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