竜王様のお約束
「私はどこだっていいんだよ。」


ヤヨイもひまわりのような眩しい笑みをハクリュウに返した。


迷いの消えたハクリュウの穏やかな顔を見て、ヤヨイはホッと胸をなで下ろす。


私を選んで、私だけを見てくれたハクリュウ。
竜王としてではなく本音で私に接してくれたハクリュウ。
そんなハクリュウには、私のそばで寛いでいてほしい。
私がハクリュウの居場所になってあげたい。


ヤヨイはそんな風に思ったりもするのだが・・・


でもハクリュウに癒されて愛されて、寛ぐ事を知ったのはむしろヤヨイの方だったのかもしれない。ハクリュウに必要とされて、ヤヨイは自分に自信を持てた。今までどうでもよかった自分の存在意義をも見いだせた気がする。誰かの為の自分なのではなく、自分から誰かの為に有りたいと。そんな風にも思えるようになった。


「ハクリュウと一緒に居られるなら、私は私でいられるから。
ハクリュウと一緒ならそれだけでいい。」


ヤヨイの口から自然とこぼれた言葉に、ハクリュウはきょとんとしてヤヨイを見つめ・・・。


「それ、俺のセリフ。」


クスッと笑ってハクリュウはヤヨイの額を小突いた。
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