竜王様のお約束
久しぶりのヤヨイのぬくもりを体に受けて、ハクリュウは安心感と独占欲に満たされていく。


自分以外の男が愛しいヤヨイに触れていた事を思うと、やるせない思いに駆られた。ヤヨイに一時でも恐怖を味わわせてしまったという気持ち。連れ去られてしまったことの悔しさ。


そんな想いがヤヨイを抱きしめた瞬間にハクリュウから溢れ出し、歯止めがかけられない。


「ヤヨイごめん。
俺、今、優しくできないかも。
ヤヨイをめちゃくちゃにしちゃいそうだ。」


「ハクリュウ?
どうしたの、何のこと?」


「ヤヨイが俺以外の男と二人きりでいたなんて・・・。
思い出したらまた腹が立ってきた。
それを阻止できなかった自分にも腹が立つ。」


そう言ったが早いか、ハクリュウは荒々しくヤヨイに口づけ勢いよく押し倒した。


「ヤヨイは俺だけのヤヨイなんだ。
ほかの誰にも触れさせたくない。」


「ちょっ・・・。」


突然の変貌に、ヤヨイは慌ててをハクリュウを押し返す。
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