竜王様のお約束
長い足を組み、深紅のソファーに座るハクリュウ。
深い紅の上で、白い衣装が華やかに映える。
その白い衣装をまとっている人物の表情は、未だかつてないほどに、険しかった。
竜王であった時も、何度となく険しい表情はあったのだが、これほどまでに、その端正な顔を歪めた事はない。
「本当に心当たりはないのか?
あのコクリュウが、人間界へ姿を見せるだなど、想像できぬ。
誰ぞに何か、吹き込まれたか・・・。」
苛立ちを隠すことなく、ハクリュウは弟をチラリと見た。
ハクリュウが座る長いソファーではなく、一人掛け用の艶やかなソファーに身を沈め、コウリュウは短く息を吐き出す。
「コクリュウなのですよね?」
短い黒髪の、精悍で真面目なコクリュウの顔を頭に浮かべて、コウリュウは首を捻る。
「実際に姿を見た侍女が言ったのだ。
間違いあるまい。」
「そうですか。」
コウリュウの呟きを最後に、しばらくの沈黙が流れ、その静かな部屋の中で2人は、同じ人物の事を思い返しているようであった。
深い紅の上で、白い衣装が華やかに映える。
その白い衣装をまとっている人物の表情は、未だかつてないほどに、険しかった。
竜王であった時も、何度となく険しい表情はあったのだが、これほどまでに、その端正な顔を歪めた事はない。
「本当に心当たりはないのか?
あのコクリュウが、人間界へ姿を見せるだなど、想像できぬ。
誰ぞに何か、吹き込まれたか・・・。」
苛立ちを隠すことなく、ハクリュウは弟をチラリと見た。
ハクリュウが座る長いソファーではなく、一人掛け用の艶やかなソファーに身を沈め、コウリュウは短く息を吐き出す。
「コクリュウなのですよね?」
短い黒髪の、精悍で真面目なコクリュウの顔を頭に浮かべて、コウリュウは首を捻る。
「実際に姿を見た侍女が言ったのだ。
間違いあるまい。」
「そうですか。」
コウリュウの呟きを最後に、しばらくの沈黙が流れ、その静かな部屋の中で2人は、同じ人物の事を思い返しているようであった。