竜王様のお約束
扉の取っ手に手をかけたハクリュウに、コウリュウは有無を言わさない、力強い言葉をかけた。
「兄上。
なぜここで、コハクの名が出るのです?」
少し間を置いて、ハクリュウは静かに呟く。
「・・・すまぬ。独り事だ。
気に留めるでない。」
言葉こそ柔らかいが、またも秘密を1人で抱え込もうとするハクリュウに、コウリュウは唇を噛んだ。
全てを背負い込み、孤独な独裁者であった竜王の、かつての兄の姿が思い起こされて、コウリュウははがゆくて仕方ない。
そんなコウリュウの、おそらく初めてであろう行動に、ハクリュウは驚いて振り向いた。
コウリュウがハクリュウに無言で歩み寄り、そのたくましい腕をグッと掴んだからだ。
コハクという名を聞いて、コウリュウは黙ってやり過ごす事など、できなかった。
「離せコウリュウ。
そなたは知らなくて、良いことぞ。」
「兄上は・・・いつもそうやって威圧的に話を切ってしまわれる・・・。
お忘れかもしれませんが、今、天界の竜王は、この私なのですよ。
命令します。
兄上が知っている事を、話していただきましょうか。
コハクが絡む話なら、尚更です。」
コウリュウに、譲る気持ちは無いようであった。
「兄上。
なぜここで、コハクの名が出るのです?」
少し間を置いて、ハクリュウは静かに呟く。
「・・・すまぬ。独り事だ。
気に留めるでない。」
言葉こそ柔らかいが、またも秘密を1人で抱え込もうとするハクリュウに、コウリュウは唇を噛んだ。
全てを背負い込み、孤独な独裁者であった竜王の、かつての兄の姿が思い起こされて、コウリュウははがゆくて仕方ない。
そんなコウリュウの、おそらく初めてであろう行動に、ハクリュウは驚いて振り向いた。
コウリュウがハクリュウに無言で歩み寄り、そのたくましい腕をグッと掴んだからだ。
コハクという名を聞いて、コウリュウは黙ってやり過ごす事など、できなかった。
「離せコウリュウ。
そなたは知らなくて、良いことぞ。」
「兄上は・・・いつもそうやって威圧的に話を切ってしまわれる・・・。
お忘れかもしれませんが、今、天界の竜王は、この私なのですよ。
命令します。
兄上が知っている事を、話していただきましょうか。
コハクが絡む話なら、尚更です。」
コウリュウに、譲る気持ちは無いようであった。