竜王様のお約束
ヤヨイに覆いかぶさって、薄気味悪くニヤッと笑うキリュウ。


ヤヨイは恐怖で体が動かず、叫び声をあげる事もできないでいた。


「どうしようかな・・・。
殺すのは、遊んでからでいいか・・・。」


ポソっと、ヤヨイの耳元で囁かれたその言葉と共に、キリュウの手がヤヨイの髪を撫でる。

ヤヨイは成す術もなく、ぎゅっと目を瞑った。


その時コクリュウの屋敷の玄関から、勢いよくドアが開く、大きな音が鳴り響いた。



「ヤヨイ様!!!
いらっしゃいますか!!!」


そして、聞き覚えのある声が響き渡る。


ヤヨイを捜索に来たイオリは、鍵が掛けられた玄関のドアを根気よくノックしていたのだが、ついに痺れを切らし、渾身の力を振りぼってドアを蹴り破ったのだ。


「ヤヨイ様!
お返事をして下さい!」


一つずつドアを開けて、部屋の中を確認している音が聞こえる。



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