竜王様のお約束
「なんで俺が、お前からコハクを奪わなきゃいけないんだ?
意味が分からない。
それこそこっちの台詞だ。
キリュウが誰を好きになろうと勝手だが、コハクが自分の思い通りにならなかったから、俺に奪われたなんて、それは都合がよすぎるだろう。」
「思い通りにならない?
この僕に、そんな事があっちゃいけない。
アハ・・・僕に出来ない事なんて、ないんだよ。
だからお前達には罰を、与えてやったの。
僕を拒んだ罰。僕から奪った罰。」
卑屈に笑うキリュウの自尊心は、妄想の中で巨大に膨らみ、熟れすぎた果実の様に、落下寸前であった。
先ほどからのキリュウの暴走に苛立って、ハクリュウの腕の中からヤヨイが声を出した。
「違う・・・キリュウさんは、コハクさんがコウリュウさんを愛してるって言った事が、許せなかったのよ。
コウリュウさんへの嫉妬心から、キリュウさんはコハクさんを・・・」
「黙れ!
この僕が、コウリュウに嫉妬なんて、するはずないだろう!
コハクは、僕を選ぶべきだったんだ。
僕の方が、コウリュウなんかより、コハクに相応しいのに。
コウリュウに琥珀色の瞳は、渡すもんか。」
収集のつかないキリュウの言葉は、コウリュウの心をやるせなく揺さぶり、
握った拳が痛々しく悲鳴をあげていた。
意味が分からない。
それこそこっちの台詞だ。
キリュウが誰を好きになろうと勝手だが、コハクが自分の思い通りにならなかったから、俺に奪われたなんて、それは都合がよすぎるだろう。」
「思い通りにならない?
この僕に、そんな事があっちゃいけない。
アハ・・・僕に出来ない事なんて、ないんだよ。
だからお前達には罰を、与えてやったの。
僕を拒んだ罰。僕から奪った罰。」
卑屈に笑うキリュウの自尊心は、妄想の中で巨大に膨らみ、熟れすぎた果実の様に、落下寸前であった。
先ほどからのキリュウの暴走に苛立って、ハクリュウの腕の中からヤヨイが声を出した。
「違う・・・キリュウさんは、コハクさんがコウリュウさんを愛してるって言った事が、許せなかったのよ。
コウリュウさんへの嫉妬心から、キリュウさんはコハクさんを・・・」
「黙れ!
この僕が、コウリュウに嫉妬なんて、するはずないだろう!
コハクは、僕を選ぶべきだったんだ。
僕の方が、コウリュウなんかより、コハクに相応しいのに。
コウリュウに琥珀色の瞳は、渡すもんか。」
収集のつかないキリュウの言葉は、コウリュウの心をやるせなく揺さぶり、
握った拳が痛々しく悲鳴をあげていた。