竜王様のお約束
その2人から言われた事は、人間界からハクリュウの巫女であった、ヤヨイを連れて来い、と、いう事。


何故ならヤヨイは今、コウリュウの寵姫だから・・・と。


これには、亡きコハクの存在が見え隠れしたのだが、ハクリュウが教えてくれた、天界統一に関わる話で、納得がいった。


なんだかんだ最もな理由を付けて、その実キリュウがヤヨイを手にいれたかった訳である。


キリュウは失恋の腹いせに、セイリュウ王に王妃を殺害させて、第2の妃にとコハクを差し出したのだという。


思いっきり嫌がらせの行動に他ならないが。どうやらコハクをよく思っていなかったシリュウも、手を貸していたようだった。


きっと、あの媚薬の吐息を利用して、シリュウはセイリュウ王を、手玉に取ったに違いない。


異端の琥珀色の瞳を持つ、若き龍(コハク)の生気を取り込めば、能力は甦るはず・・・などと、甘く囁いて。
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