竜王様のお約束
ナナ
ここは、ハクリュウにとっても、ヤヨイにとっても、懐かしい部屋である。


清潔な白で統一された、広い部屋。


この部屋に、なから強引に引っ張られて来たヤヨイは、未だ自分の手を放さない人物を見上げた。


「ハクリュウ。
痛いよ。放して。」


「あっ・・・。
ごめん、ヤヨイ。」


ハクリュウは、掴んでいたヤヨイの手を静かに引き寄せて、自分の胸の中に抱き寄せた。


そして、少しだけ切ない顔をして、ヤヨイをぎゅっと抱きしめる。


ヤヨイはそんなハクリュウの表情が珍しくて、そっと声をかけた。


「もしかしてハクリュウ、後悔してるの?」


「いや。あれは必要な処罰だったよ。
・・・・・・・・・・。
ヤヨイに嫌な場面を見せてしまったなぁと、思ってさ。」


「ハクリュウ・・・。」


「これはやっぱり、コウリュウに背負わせちゃ、いけない裁きなんだ。
あいつら二人は本来なら、コハクの時に罰しておくべきだったんだから。」

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