竜王様のお約束
ヤヨイをグイッと引っ張って、自分のひざの上に乗せた。


「あのさ、ヤヨイ。
俺の前で他の男を褒めるなんて、いい度胸してるよな。
ヤヨイが愛してるのは、誰?」


「ハ・・・ハクリュウです。」


「だよな。」


ハクリュウは、深く深く、ヤヨイに口づける。


こんな何気ないヤヨイの言葉にまで、焼きもちを焼いてしまう自分に対して、ハクリュウはふと、可笑しさがこみ上げた。


そして自分自身へ向けて、クスッと笑みをこぼす。


「なにが竜王だ。聞いて呆れるな。
俺はもう、ヤヨイなしでは生きていけそうにない。
お前のためなら俺は、毒杯をも仰げるだろう。」


笑い交じりに呟いた台詞に驚いて、ヤヨイはハクリュウを睨む。


「だめだめ、だめだよ。
そんなこと言っちゃ。
本気で怒るよ。」


ヤヨイはぎゅっと、ハクリュウにしがみついた。


「こうしてヤヨイに触れていると、俺は安らいで満たされる。
さぁ・・・人間界へ帰ろうか。」


ヤヨイの頭を軽く撫でて、ハクリュウは立ちあがった。
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