竜王様のお約束
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ハクリュウの部屋の前室にコクリュウが呼ばれると、息を弾ませて彼はやって来た。


長い廊下を一目散に駆けて来たコクリュウは、短い黒髪をかきあげて額の汗を拭う。


コクリュウは神妙な面持ちで、どんな処罰でも受け入れるという覚悟を決めている。


大きく深呼吸してから、敬愛するハクリュウ王陛下の待つ、部屋の扉を叩いた。


しかし、そんなコクリュウに下された言葉は、余りに予測とはかけ離れたもので、失礼ながらも耳を疑ってしまった。


コクリュウは声に出して、たった今賜ったばかりのお言葉を反復してみる。


「人間達に詫びよ・・・と?
・・・それだけで、ございますか?」


「なんだ、不服か?」


「い・・・いいえ!
滅相もございません!
しかしながらそれでは、余りに罰が軽すぎなのでは?
畏れながら、シリュウとキリュウに申し訳が・・・。」


「要するに、我の命が、不服なのだな?」


「不服だなどと、そんな!」


コクリュウは、床に頭を擦りつけた。
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