竜王様のお約束

ハクリュウは、ニヤリと意地の悪い、でも反面楽しそうに、笑みを浮かべながら、コクリュウを見下ろす。


「では、決まりだ。
キリュウとシリュウの生気を得たのでな、我も自力で帰れぬ事はないのだが、そなた、我等を人間界まで、送り届けよ。
そのついでに人間達へと、姿を見せて混乱を招いた事、詫びよ。」


「ついで･･･ですか？」


『ついでに詫びるだなんて、そんな罰があっていいのか？
それに陛下･･･もしかして笑っていらっしゃる？』

コクリュウは、物腰柔らかに微笑むハクリュウに、目をパチクリとさせた。


「なんだ？」


ハクリュウにじろりと睨まれて、コクリュウはたじろぐ。


「い･･･いえ。」


コクリュウは、ハクリュウの言葉に、もう一つ重要な落とし穴を見つけ、むしろそちらの方に気を取られた。


「陛下は天界から、お姿を消されるのですか？
と、いうか、もしや。
今まで、人間界に行っていらしたのですか？」


「そうだが。」