CLAP!!
周りの大人はそんな彼女を気味悪がりそして、しーちゃんは益々ひとりになっていった。それなのに僕は、彼女の痛みを悲しみを知っていながらも僕は、何も出来なかった。
あんなに大好きだった洋子先生さえ、彼女を否定した。


「ねぇいちぎ、」


その時、彼女にこう尋ねられた事がある。


「せかいはね、ふたっつ、あるの。」


当時5歳児の彼女はもう既に、僕のよく知っているこの世界にはいなかったのかもしれない、と今更ながら思う。


「ひとつは、みんながいるところ。それでね、もうひとつ、だれもいないせかいがあるんだ。」


そして彼女はこう言ったのだ。



一緒にその、もうひとつの世界に行かないか、と。

僕はまだ幼くて、答えられなかったのをよく覚えている。もしもそこでしーちゃんのその質問に答えていたら、僕は、しーちゃんは、どうなっていたのだろう。




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