H.+ (エイチプラス)
H.+ 《エイチ.プラス》
1》雨
真っ黒な髪は、艶やかな光りを放ち。
茶色い瞳の中には、凄い剣幕で睨む私の姿が映っていた。
「・・・痛いか?赤くなってるぞ・・・」
切れた唇からは、赤い液体が流れる。
それを手で拭い、私は目の前に差し出された手を無視して立ち上がった。
「おい、泉!」
「煩い・・・。ほっとけ」
朝から降り続く弱い雨は夜になっても止む気配はなくて、私の上に落ちてきた。
毎日、私は外に出る。
雨でも、風でも、雪でも・・・。
台風が来てたって、捜しに行く。
「泉、もう暗いから帰るぞ」
「だから、ほっとけってば」
「怪我してる女をほって置けるわけないだろーが!」
前に進もうとする私の手を握り、私を睨むように見つめてくる。
・・・雨は冷たいのに、コイツの手は温かい・・・。
・・・生きてるんだ。
コイツも、私も・・・。
「帰ろう・・・。風邪ひくから・・・」
握った手を、私が進もうとする反対の方向へと引っ張る。
消えてしまえばいいのに―・・・。
私も。
この、世界も・・・。
茶色い瞳の中には、凄い剣幕で睨む私の姿が映っていた。
「・・・痛いか?赤くなってるぞ・・・」
切れた唇からは、赤い液体が流れる。
それを手で拭い、私は目の前に差し出された手を無視して立ち上がった。
「おい、泉!」
「煩い・・・。ほっとけ」
朝から降り続く弱い雨は夜になっても止む気配はなくて、私の上に落ちてきた。
毎日、私は外に出る。
雨でも、風でも、雪でも・・・。
台風が来てたって、捜しに行く。
「泉、もう暗いから帰るぞ」
「だから、ほっとけってば」
「怪我してる女をほって置けるわけないだろーが!」
前に進もうとする私の手を握り、私を睨むように見つめてくる。
・・・雨は冷たいのに、コイツの手は温かい・・・。
・・・生きてるんだ。
コイツも、私も・・・。
「帰ろう・・・。風邪ひくから・・・」
握った手を、私が進もうとする反対の方向へと引っ張る。
消えてしまえばいいのに―・・・。
私も。
この、世界も・・・。