H.+ (エイチプラス)

3》傷

体中についた痣や傷は、一つが消えると、また次の傷が出来る。

痛い・・・。

でも、きっと。

七海の方が痛かったよね?

忘れても、認められない訳でもなくて・・・。

私はただ、怖いんだ―。

これから先、七海がいない人生を送る事が・・・。

ただ、怖いんだ―・・・。



―――――
――――――



「泉」


裕也は毎日、私の家に来る。

最初はそんな事知らなかったけど、お母さんが裕也が心配してるって聞かされた。

七海も大切な幼なじみだけど、裕也も大切な幼なじみ。


「裕也、今日学校は?」


お母さんとお父さんは、意地でも私を病院に連れていく気らしく、私は昨日から家を出させて貰えない。

家、と言うより殆ど部屋に閉じ込められてる。


「さぼり。泉がどっか行かないように、相手してやろうと思ってさ」

「なんだよ、それ・・・」


ヘラリと笑うと、裕也は私の部屋の中にズカズカと入り、一番いいベットの上を占領した。
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