H.+ (エイチプラス)
「・・・泉。何度も言うけど現実を見ろ。お前が一番解ってるはずじゃないのか?」


ガバッと裕也は起き上がり、真剣な眼差しで私を見る。

その瞳はいつもの裕也じゃなくて・・・。

逃げられない・・・。


「な、何だよ・・・」


幼なじみたって、裕也は男で私は女だ。

裕也が怖いって思っても、おかしくはない・・・。


「おじさん達に、泉には言うなって言われたけどさ・・・。七海が死んだ所、お前は見ていたんだろ?忘れたくて、記憶をしまい込んだのか・・・?」

「な・・・、意味わかん・・・」


ギラギラする裕也の瞳に、私は反論する力すらなくなる。


「七海は死んだ・・・。お前はそれを一番知ってるはずだ・・・」


裕也の言葉が頭に響き、私の中の記憶がぐるぐる廻る・・・。
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