H.+ (エイチプラス)
私と七海は、幼なじみで親友だった。

家が近所だった私と七海と裕也は、小さい頃からずっと一緒。

流石に高校はバラバラだろうって思ったのに、いつも一緒のせいか学力も似たり寄ったりで、三人共同じ高校。

なんでだって思ったけど、・・・それが楽しくて、嬉しかった・・・。

乱暴な私の性格には、七海みたいな落ち着いた性格が合ってたみたいで、毎日いつでも傍には七海。

裕也の部活の試合の応援も、裕也に気付かれないようにコッソリ見に行った時もあった。

・・・とりあえず。

私の生活には、七海は掛け替えのない大切な存在だった。

そんな七海が、突然姿をくらました。

また明日ね・・・なんて前の日言ってたのに、その次の日から七海の姿を見ていない。

――消えた・・・。

ただ、それだけなのに・・・皆七海を死んだと言う。

七海は死んでなんかいない。

元気な人間が、たった一日で死ぬ訳がない。

だから私は、毎日七海を捜す。

何処かでうずくまって泣いているであろう七海を、信じている私が捜してあげなければならないんだ。
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