Thank you my friend.
入学して何日か経った頃
キミは私にはなしかけてくれた。
なんだか嬉しかった。
男の子らしい低い声に
少しドキッとした。
優人「これからよろしく!」
笑顔でそう言ってくれたキミに
私はどんな顔をしていたのかな。
結香「うん」
素っ気なくそう言ってしまったけど
本当は、本当は……
とっても、とっても、
嬉しかったんだよ。
優人「あー!同クラかよ~!よろしく!」
キミは誰に対しても笑顔だった。
そして、
キミの笑顔はみんなを笑顔にする。
…あ。
そうか。
今、キミへの気持ちがわかったよ。
私知ってる。
この気持ちは
……尊敬だ。
優人「この子は志野ちゃん!な?」
結香「え?あ、うん」
あ、そうだ。
私の名前、言ってなかったっけ。
結香「志野、結香、です」
優人「な?志野ちゃんだろ?」
雅「志野ちゃんとか慣れ慣れし過ぎだろ?あ、俺、雅ね?葉山、雅。」
優人「いいだろ、志野ちゃんが何も言ってないんだから!あ、俺は優人だから!池田優人!」
結香「あ、…うん」
知ってるよ。
優しい人、って書いて優人。
キミの名前は
キミの人柄そのまんまだもんね。
男子の名前を覚えるのが苦手な私でも
すぐに覚えちゃった。
それが私の尊敬している人の名前。
雅「ほれ、優人。志野さん超困ってんじゃん!やめてやれよ?」
優人「え?嫌だった!?わり!」
結香「あ、いや…別に、大丈夫です…」
優人「だよなー?お前の勘違いだとさ」
雅「あ、まじで?ごめん!」
結香「あ、いえ…!こちらこそ…」
雅「ま、これから仲良くしてね?」
優人「あ、俺もー」
結香「え、あ、あぁ、はい…!」
私の中学最初の日は
こんな感じだった。