この彼女、天然系
「あいつ……」
「ふぇ?」
ぼそっと何かを言った陽希。
それにこたえようと、上を向いた瞬間ーーー
ーーーちゅっ
唇に、なにかが触れた。
「はい、望みどおりにキスしてあげたけど?」
呆然とするあたしの
唇に、親指で触れる。
その感触でさっきのを
思い出してかあぁあっと一気に
熱がこみ上げる。
「ち、ちゅーし、たの?」
「うん」
「陽希と?」
「当たり前」
「ふぇえっ………」
慌てて口を抑えて陽希をみあげる。
「なに、まだ足りない?」
い、意地悪陽希だぁあっ!!!
「ちゅーのこと知ったんなら
これからはもっと教えてやるよ」
最後に「俺がな?」って
付け加えて
また唇を奪われた。