冷たい王子は私の彼氏
そんなことを思っていると
「えー?そんなに、俺のこと嫌いなの…?」
なんて、頭にうさぎの耳が生えそうな顔で私を見つめるお兄さん。
「き、嫌いじゃないですけど!」
「そ。良かった。」
え?
今の顔は、演技…だと!?
「よぉーし!行こっか!」
「は!?」
私は、お兄さんに手首を掴まれて
無理矢理
車に乗せられてしまった。
バタンと閉まるドア。
そして、向こう側から
平然とした顔で乗ってくるお兄さん。
「ちょ!お兄さん!これ、誘拐ですよ!?」
「はははー♪誘拐しちゃった?警察に捕まっちゃうかなぁ!」
ムッカァァァ!!!
「下ろせ下ろせー!」
窓をバンバン叩いたり、ドアを開けようとするが
「ダメだよ?鍵閉めたから。」
と、真顔で言われて
ヘナヘナと力無くうずくまってしまった。