冷たい王子は私の彼氏


「まことの気持ちを、君は踏みにじったんだよ?」



ドスのきいた声で、りんかちゃんを睨むお兄さん。


りんかちゃんは、一歩後ずさりして



「ま、まことなんて…まったく優しくないし嫌いよ。」



なんて、言ってしまった。





「顔は、カッコいいし昔から冷たい王子とか言ってもてはやされてたけど。
無口で、喋りかけても
あぁ。とかそうだね。しか言わない。」




「それに比べて、ヒロさんはいつも笑顔で明るくて…
ヒロさんを見たら、まことのことなんて忘れたの。ヒロさんが好きになった。」












なに?



それ。意味わかんない。




「…りんかは、俺のこと嫌いだったの?」







横田くんが、悲しそうな顔でそう呟く。







「えぇ。顔以外、全部嫌いだった。」
































気がつけば、










私は車から下りて













走ってた。








誰のもとなんて、言わなくたって分かるでしょ?


大好きな、大好きな、横田くんのところ。












< 267 / 334 >

この作品をシェア

pagetop