冷たい王子は私の彼氏
「なぁ、佐々木」
「ん?なに?」
平然を装いながら、必死に答える。我ながら、すごいよ。
「ずっと気になってたんだけどさ」
「うん。」
「なんで、今日兄貴と居たの?」
ギクッ
(どうしよう。どうしよう。どうしよう。)
これは、言うべき?
だよね!!言わないといけないよね。
「…えっと、誘拐された。」
「は?」
暗い場所にも、目が慣れ始め
横田くんの顔が、ハッキリと見えるようになった。
その顔は、もう不機嫌そのもの!
「あ、あのね!」
一連の流れを必死に説明すると
「兄貴、覚えてろよ。」
なんて、怒るものだから…