恋の扉をこじあけろ
好きだ






何か、聞こえるなぁ…


ああ、携帯が鳴っているのか。



眠りの中からなんとか覚醒し、ぼんやりしながら携帯に手を伸ばした。



画面に表示されているのは、『大学病院』…



的井先生だ。


でも、何の用事なんだろう…?


昨日わたしの様子が変だったから心配してくれてるのかもしれない。


というのはうぬぼれかな。

そんなことで、わざわざ病院から電話なんかかけてこないだろう。


「もしもし」


ドキドキしながら、携帯を耳に当てた。


「あ、琴乃ちゃん?」


すぐさま、通話を切ろうと耳から離すと、察したらしい相手はあわてて制止してきた。


「待て!話があるんだよ!」


慌てた声は、松居先生のものだ。


…ちょっと待て。


「個人、情、報、はっ?」


「そんなもの、俺には関係ないんで」


ブチン。



切ってやった。





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