恋の扉をこじあけろ
午後も講義があって大学に残る冬実に送り出されて、病院に向かった。
待合室の椅子に座って、ドキドキしながら順番を待つ。
病院に行く目的、間違えているような気がする。
それに先生がどんな人なのかなんてまだわからないし。
声を聞いた限りでは素敵だったけど、ちゃんとわたしが恋遊びできるレベルの人であることを願う。
というのはわがままか。
ちょっと待って琴乃!
あなたの本当の目的は何?
アゴをなんとかしてもらうことでしょう!?
またお年寄りたちが『お昼の体操』を始めた。
初めて見るのかこの前のわたしと同じ状況の男性がおろおろしている。
『1240番の方、第二診察室へお入りください』
やっと呼ばれたわたしの当日番号。
気合を入れて立ち上がり、第二診察室へ向かった。