恋の扉をこじあけろ
先生の気持ち
どうしてわたしにキスしたの?
なんて聞けない。
聞きたいけど、聞けない。
わたしが臆病で、恥ずかしがりで、プライドが高いから。
先生の口からはっきりと「遊びだよ」なんて言われた日にはきっとしばらく立ち直れない。
逆に「好き」って言われることもあるかもしれないけど、怖がりなわたしは答えに行きつくのが怖くて、先生に会うのが嫌になっていた。
クリスマスの日から約一ヵ月、とうとうわたしは先生に会わなくてはならない日を迎えた。
あの日、わたしに起きたことは甘い経験。
だけど、先生次第で苦い経験に姿を変えてしまう。
嫌だ、会うのが怖い。
いろいろ考えてしまう自分の頭が嫌だ。
あのまま幸せな気分に浸ってうぬぼれておけばこんな気持ちにはならないのに、どうしてこういうときに限って想像力が働くんだろう。