恋の扉をこじあけろ


むすっとしながらパフェをつっつく。


ふつうのパフェの10倍くらいあるフルーツパフェを二人で頼んだ。

よくこんなものがあったと思うほどの大きな器に、アイスクリームと色とりどりのフルーツたちがてんこ盛りに盛られている。


冬実が奢ってくれるというから、めずらしいなとは思っていたけど、まさかこんな下心があったとは。


「それで、ついてきてくれるの?」


冬実が不安そうなまなざしをわたしに向けてきたから、目を逸らしてスプーンをくわえた。


なるほど、
これが男を落とすワザなのね。


わたしが男だったらすぐさまうん、と頷いているところだ。


「そんなに言うなら、わかったよ」


男じゃなくても、落とされたけど。


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